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「GI Yamanashi」糖度基準の公開/2019
委員長 恩 田 匠
ブドウの生育期(4月~6月)は少雨、多照(日照時間平年比 105%/4月、123%/5月、106%/6月)で経過して順調に成長した。甲州の開花期は6月上旬で、降雨の影響かやや花振いを呈した。成熟期(7月~10月:7月中・下旬にヴェレーゾン)に入ると、7月には2~4日間隔で少雨・多雨があった。そのため、気温は好適に推移したが日照時間が平年比で59%/7月、90%/8月と非常に寡照で推移し、とくに7月は天候不順が連続し、8月は8時間以上の日照のあった日が13日あったものの成熟が危ぶまれ、9月に入って気温は上々の推移だが、多雨と曇天が続き成熟速度が緩慢となった。
そこで、県内の成熟状況を調査したところ(9月5日)、甲州は糖度で勝沼一帯(下岩崎、上岩崎、藤井)が11.9%~12.5%、八代南が15.7%、穂坂が15.4%~12.8%と上昇が思わしくなかった。マスカット・ベーリーAは勝沼下岩崎で16.4%、穂坂で15.4%とやはり思わしくなかった。
このように、両品種とも糖度上昇が厳しく停滞気味に推移していた。さらに現在、日本
列島に秋雨前線が停滞し、今後の天候は予断を許さない状況にあるので、早めの収穫にな
る可能性がある。
従って、2019年における「GI Yamanashi」ワインの生産基準におけるブドウ糖度を1%下げて、甲州が13%以上、マスカット・ベーリーA等15%以上、そして、ヴィニフェラ種については17%以上とする。
なお、2019年のミレジムの評価は10月上旬までの気象環境を受けて別途判断する。