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「GI Yamanashi」糖度基準の公開/2025
「GI Yamanashi」糖度基準の公開
委員長 木村 英生
山梨県ワイン酒造組合
会 長 有賀 雄二
山梨県内における2025年産ブドウの生育(4月~10月のブドウ生育期の概況)
※10月の概況は今後記載予定
萌芽・展葉期(1月~4月)
1~3月の気温は甲府、韮崎、勝沼いずれも冬晴れの日が多く、日照時間は長い傾向であった。また、乾燥した気候が続き、降水量も少なく推移した。ブドウの萌芽は早め(甲府市:4月10日、勝沼:4月10日前後、韮崎市:4月15日頃)で、病害の発生もなく順調に推移した。
開花・結実期(5月~8月)
春から夏にかけて比較的安定した気象条件に恵まれ、特に8月は晴天が多く、日照時間が長かった。甲府、勝沼、韮崎の各地域では、平均気温は5月で17〜18℃、8月には25〜26℃まで上昇し、ブドウの生育に適した温暖な気候が続いた。降水量は6月から7月にかけて梅雨の影響でやや多めとなり、甲府では6月に約120mm、7月には130mm以上の雨が観測された。韮崎でも同様に6月〜7月の降水量が多く、湿度の高い時期が続いたが、8月には再び晴天が戻り、日照時間が200時間を超える日照量となった。勝沼では標高の影響もあり、甲府より若干気温が低めで、朝晩の冷え込みが果実の酸味形成に寄与したと考えられる。ブドウの開花は(甲府市:5月25日、勝沼:5月下旬、韮崎市:6月初旬)で、この時期も天候に恵まれ、病害の発生もなく順調に推移した。結実時期も晴天と適度な降雨がバランスよく訪れ、全体的に良好であった。
成熟期(9月~10月)
2025年9月は、月初に一時的な大雨があったものの、全体としては晴天に恵まれた月となった。甲府、勝沼、韮崎の各地域では、日中の気温が30℃を超える日が続き、特に勝沼では、最高気温が38.5℃に達するなど、ブドウの成熟を後押しする高温が観測された。降雨量については、9月5日に甲府で87.5mm、勝沼で117.5mmのまとまった雨が降ったが、それ以降は比較的安定した天候が続いた。韮崎では、9月16日に13時間以上の連続日照が記録されるなど、日照条件も良好であった。ブドウの糖度上昇や果皮の着色が順調に進んだと考えられる。ブドウのべレーゾンは、例年通り7月下旬から8月上旬にかけて始まり、9月にはすでに多くの品種が完熟期に入った(10月の状況はこれから記載予定)。
糖度基準
糖度調査(9月2日に山梨県内の糖度調査を実施)
甲州は、勝沼で14.3%~16%(Brix換算)、甲府で14.2~15.1%、山梨市で15.2%、穂坂で13.5%、白根で13.7~16.8%であった。‘MBA’は、勝沼で18.6%~19.1%、甲府で18.4%、山梨市で16.0%、穂坂で18.3~18.7%、白根で18.2~19.1%であった。8月下旬より収穫が始まっている地域もあるが、2025年も糖度の上昇は好調で、すでに通常の基準としている甲州14%以上、マスカット・ベーリーA 16.0%以上を超えている産地がほとんどであった。
GI山梨糖度基準 <2025年産ブドウの扱い>
上記の糖度推移等から2025年における「GI Yamanashi」ワインとして仕込む糖度基準は、「地理的表示 山梨 生産基準(国税庁告示)」どおりとし、甲州は14%以上、ヴィニフェラ種は18.0%以上、その他(マスカット・ベーリーA他)16.0%以上としたい。
ただし、10月27日に開催される「GI Yamanashi」認定審査に向けた2025年の山梨ヌーボーに関するものに限り、2025 年・年号のブドウ糖度を1%下げることを認める。