1992
★★★★★
生育期から収穫期まで降水量が少なく理想的な品質の高い果実が収穫できる。
1993
★★★★★
冷夏傾向で生育期に降水量が多く日照不足でも推移し作柄やや不良。
1994
★★★★★
生育期に高温で経過し、日照量が十分確保でき、作柄は平年作に比べ良好。
1995
★★★★★
成熟期に日照量が多く、収穫期に低温傾向で推移したので作柄は良好。
1996
★★★★★
生育期を通して降水量少なく、成熟期には朝夕が涼温で良品質の果実が収穫。
1997
★★★★★
収穫期に降水量が少なく、日照量も平年以上で推移したので作柄良好。
1998
★★★★★
収穫期に降水量が多く、気温も高めに推移したため作柄やや不良。
1999
★★★★★
成熟期には多雨であったが、収穫期に入り日照量が多くなって作柄良好。
2000
★★★★★
8~9月に多雨で心配されたが、収穫期には日照量が多く平年並みに戻る。
2001
★★★★★
空梅雨で全体的に少雨となり、収穫量が落ち込んだが果実品質は良好。
2002
★★★★★
着色期、成熟期とも高温・少雨で推移し、日照量が多く作柄は極めて良好。
2003
★★★★★
8月中旬まで冷夏で推移したが、以後、成熟期には好天に恵まれ作柄平年並みに。
2004
★★★★★
日本列島は甚大な台風被害に見舞われた年だが、幸い甲州は収穫期まで好天に恵まれ、品質の良好な作柄となる。
2005
★★★★★
列島は昨年に続き台風被害を被ったが、県内は着色期、成熟期とも少雨で日照量が多く経過して豊産.品質は平年並みに。
2006
★★★★★
6~7月及び9月が寡照で、8月は好天日が続いた。ブドウは着果過多の傾向で推移したため品質は平年並みの作柄に。
2007
★★★★★
7月は寡照で高温、8月は好天・高温で、9月も好天が続く。高夜温で呼吸消耗もあったが、作柄は’02年並に非常に良好。
2008
★★★★★
春の低温が花振るいを誘発。7~9月は高温、寡照・多雨で発病など成長への影響がでた。9月やや多照で持ち直したが、品種により収穫期を遅らせ糖度上昇を図った。
2009
★★★★★
生育期には降雨があり、7月曇天日が続いたが、成熟期は多照で、夜温が冷涼に経過したので、平年作以上に良好な作柄となった。
2010
★★★★★
生育は初期の低温また梅雨入り以降の降雨による遅延等の影響を受けたが、7月中旬以降は少雨多照型の天候で推移した。従って、収量は減じたが、品質は平年並の作柄に。
2011
★★★★★
6月から7月は少雨適温で推移し、8月から9月は高温と集中的多雨があり、降雨が地域また品種によって収量に影響。作柄が平年並に。
2012
★★★★★
生育期の6月から7月は適度な降雨、適温に恵まれ、成熟期の8月から9月は少雨・好天、気温が高/昼温~中/夜温で推移。ブドウ作柄は極めて優良。ワインも極上の仕上がり。
2013
★★★★★
6月は少雨で推移し病害が無い。7月~8月の日中は猛暑日が続き特別な年で園地は乾燥気味に。
9月も好天で作柄は良好。一部の晩熟品種を除き昨年並みの良好な仕上がりに。
2014
★★★★★
7~10月の生育期は比較的少雨であったが、8月に曇天日が多かったので遅延した。しかし、9月の成熟期が多照で、夜温が冷涼であったので持ち直し、2009年並みの良好な作柄となった。
2015
★★★★★
甲州は、収量が多め(110~120%)で推移し、糖度集積時期の8月中旬~9月上旬にかけて日照時間が不足する影響が重なったため、糖度上昇が遅々としたが、9月中旬以降~10月は好天が続き、糖度上昇に反映した。それでも収穫期においても糖度がやや低めで、メーカーは収穫時期を遅らせる配慮もした。一方、ワインの香味は成熟期の冷涼が反映して良好である。
マスカット・ベーリーAは着果量が多く推移して着色が遅延し、9月中旬以降の好天で着色促進をカバーした。しかし、収量的には110~120%と多く、地域差はあるが品質は平年並みと言える。
2016
★★★★★
5月中旬から曇雨天でベト病の拡大が懸念された。成熟期の7月~9月上旬まで比較的高温、少雨量で、これまでに収穫したブドウは品質が良好。しかし、9月中旬から曇雨天が続いて糖度上昇せず、裂果、晩腐病などの発生もあり、10月まで糖度上昇を待ったメーカーもある。
原料評価は9月前半までは★★★★、 9月中旬以降は★★で、総合すると★★★となる。収穫量は甲州が平年比で約10%減、マスカット・ベーリーAが約10~15%の減であった。
2017
★★★★★
6月~9月(ブドウの受精・果粒肥大・成熟期)の概況は、6月は気温が良好に推移し、空梅雨の状況で経過した。7月下旬~8月下旬は曇天続きで、特に8月中・下旬に日照不足で厳しかったが、9月は好天続きで日較差もあり、ブドウは健全で糖・酸も優れたバランスとなった。
収穫期は甲州が9月中旬~下旬に集中し、高標高地では9月下旬以降となり、収穫量は平年並。マスカット・ベーリーAも9月中旬からの収穫で、収穫量は平年並みであった。
果実品質は総合して平年作以上の作柄で、評価は★★★★とした。
2018
★★★★★
ブドウの生育期(4月~6月)は少雨、多照で経過して平年に比べて1週間ほど生育促進し、病害等も少なく、甲州の開花期が6月上旬で、その後も適度な降水量と好天が続き7月中・下旬にヴェレーゾンとなった。そして、8月中・下旬が少雨、多照で糖度上昇したが、9月に入ると、多雨、曇天が続き気温も低下し、成熟速度が緩慢となった。
この結果、成熟期の前半の評価は★★★★、後半(9月の重要期)は★★と判定し、これを総合して本年のミレジムは★★★(平年作)と評価した。
収穫量は「甲州」が平年に比べて低く、マスカット・ベーリーAは平年並みであった。
2019
★★★★★
ブドウの生育期の4月~6月は少雨、多照で経過し順調に成長した。甲州の開花期は6月上旬でやや花振いを呈し7月は降雨日が多かった。8月は曇天日が多く、9月は降水量が48.2%、日照時間が113.7%で好天日が続いたが、10月中・下旬には台風・大雨に曝された。従って、9月に日照および気温は上々の推移であったが、全体として、7~8月の天候不順が大きく影響して成熟速度が緩慢となり、良好な成熟が得られなかった。
これらを鑑み、2019年度の作況は‘厳しい年’と言え、ミレジム評価★★とした。全県の平均的収穫量は平年比で20~30%減の状況であった。
2020
★★★★★
ブドウの生長期(4月~5月)は適雨、多照で順調に成長し多収が予想された。しかし、6月中旬から7月に多雨で寡照の日が続き、好気温であったが、ベト病等も発生し果実の成熟遅延が見られた。
8月(成熟中期)は降雨が極少で日照が平年比125%と回復し、9月上旬まで日照、気温は上々に推移した。しかし、糖度上昇はやや緩慢であった。
9月中旬以降、日本列島は秋雨前線が停滞したが、少雨、やや寡照で経過した。
よって、2020年度は生産量が低め(15~20%減)となったが、後半に天候が持ち直し品質がやや良好となったので、ミレジム評価★★★とした。
2021
★★★★★
3~5月は少雨~適雨、日照が適照~やや寡照で好天候に恵まれ、芽吹きも早い傾向で順調な成長スタート。6月の梅雨期も少雨で推移し、病害も無くて結実が良好。梅雨が16日ほど早く明けて7月下旬成熟期に入る。しかし、8月中旬に多雨、低照、低温が続き、下旬は極めて好天候であったが、この中旬の悪天候が影響して糖度上昇が伸びず(9月上旬調査)、一部裂果もあり、成長期の期待からやや外れ、品質、収量の低下をきたした。
しかし、9月の好天候で持ち直しがあり、ミレジム評価★★★とした。
2022
★★★★★
3~5月は適雨・適照と好天候に恵まれ、発芽が早めで揃いも良く順調に生育を開始。受粉後の6月、空梅雨、少雨で経過して果粒肥大がやや緩慢。病害、生理障害は散見程度。早い梅雨明けで7月下旬にヴェレーゾンとなり、8月中旬に集中雨があったのみで少雨・低照で、日中高温で夜温が低めに経過。この昼夜温の高低差が効いてか、果実の糖度上昇の伸びが良かった(8月下旬調査)。9月上中旬に台風の襲来があったが、県内被害は無くやや寡照の天候で推移する。ブドウ果実は良好。今年のミレジムの評価は★★★★である。
2023
★★★★★
3~5月は適雨・適照と好天候に恵まれ、発芽のタイミングも早く、順調に生育が始まった。受粉後の6月に降雨があり、若干の病気(べと病)が見られたが、その後は好天が続き健全な状態を維持できた。梅雨明けも早く7月下旬にはヴェレーゾンとなり、また8月から9月上旬にかけてもまとまった降雨は見られなかった。10月に入ってからも晴天が続き、収穫期においても台風の上陸はほとんどなく、山梨県内多くの地域で例年と比較してブドウ果実の糖度が1~2ポイント高い状態で収穫された。これらのことから、今年のミレジムの評価は★★★★★としたい。
2024
★★★★★
3~5月は、日照時間は例年並みであったものの、平均気温は山梨県内各地で例年よりかなり高く推移した。萌芽のタイミングも早く、順調に生育が始まった。6月以降も平均気温は高く、日照時間も長く推移したものの、6月及び8月の降雨量は多く、若干の病気(べと病)が見られた。梅雨入りは例年よりかなり遅かったが、梅雨明けは例年並み(7月18日)であった。例年よりかなり早く7月下旬にはヴェレーゾンとなり、また9月に入ってからも平均気温は高く、日照時間も長い日が多く、10月中旬の収穫期後半までこれら好天が続いた。しかしながら9月上旬の台風接近及び短時間での多降雨、夜温の上昇(連日の熱帯夜)などにより、山梨県内多くの地域でブドウの収穫量は多かった(特に甲州)ものの、果実の糖度は例年並みとなった。これらのことから、今年のミレジムの評価は★★★★としたい。