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「GI Yamanashi」糖度基準の公開/2022
委員長 恩 田 匠
山梨県ワイン酒造組合
会 長 安藏光弘
生長期(4月~5月) ~ 開花期(5月下旬)
1~3月の気温が平年に比べて高めに推移し、萌芽が早め(甲州:4月11日、MBA:4月11日)で揃いも良かった。4月は降水量が4.7mm/日あり、日照時間が6.2h/日あったので、病気の発生もなく順調な生育で推移した。
5月に入り降水量は少なく(2.4mm/日)推移し、日照時間(本年6.6h/日)がほぼ平年並みであった。一部の園で勝沼(4月下旬に防除をしてない園で発生の傾向)、甲府(5月16日)でベと病が散見。開花期は甲州 5月16日:甲府、5月25日~29日:勝沼、MBA:5月25日:勝沼、5月下旬~6月上旬:穂坂であった。
開花・受精~果粒肥大期~ヴェレーゾン(6月~7月下旬)
6月は平年(3.8mm/日)に比べて降水量が少なく(1.3mm/日)空梅雨の傾向で、果粒肥大の第一期に当たるが、肥大速度が鈍く果粒が小粒の傾向。6月下旬に日中の高温(39℃~40℃)が継続したが、日焼けや生理障害は無く、ベと病も落ち着いた様相。
7月に入っても降水量が少なく(3.8mm/日)、日照時間が本年5.4h/日≧平年5.3h/日と長めだが曇天日が続く。ヴェレーゾン(硬核期)は甲州:7月下旬(7月25~30日/甲府)、8月上旬(7月30日~8月10日/勝沼)、MBA:7月下旬(7月25日/勝沼)、8月中旬(8月12日/穂坂)で、この時期とくに勝沼は涼しい状態でヴェレーゾンを迎えた。
ヴェレーゾン~成熟中期(8月上旬~8月下旬)
8月に入り、上旬は降雨少なく(勝沼:4.5mm/旬、甲府:1.5mm/旬)好天日が続いたが、中旬に集中的な降雨があり、ヴェレーゾン後としては天候があまり良くなく寡照の日が続く。昼温は高温で推移して、最低夜温が22.3℃~22.5℃の範囲であったので、‘甲州’にあっては呼吸消費が抑制され、ヴェレーゾン後の糖度蓄積に好影響となったようである。
8月下旬(8月31日現在)糖度調査を実施。‘甲州’が勝沼で12.4~15.0%、甲府で14.1~14.9%、穂坂で14.2~14.6%で、MBAは勝沼で17.2%、甲府で19.4%、穂坂で16.2~17.5%と糖度上昇は好調で、地域により8月下旬に収穫が始まっている。
成熟後期~完熟期(9月上旬~10月)
9月に入る。上旬から中旬にかけて台風の襲来があったが、被害はほぼなかった。勝沼は降水量が少なかったが、寡照で経過し、甲府、穂坂は降水量が平年より多め(本年94.5mm>平年53.5mm)あったが、ブドウ果実への影響は少なかった。
糖度基準
糖度の推移から2022年における「GI Yamanashi」ワインとして仕込む糖度基準は、生産基準どおりとし、甲州は14%以上、ヴィニフェラ種は18.0%、その他(マスカット・ベーリーA他)16.0%以上とする。
ただし、10月27日のGIワイン審査に向けた2022年の山梨ヌーボーに関するものに
限り、2022年・年号のブドウ糖度を1%下げることを認める。