ワインの国 山梨

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「GI Yamanashi」糖度基準の公開/2021

「GI Yamanashi」糖度基準の公開/2021

山梨県ワイン酒造組合
会 長 安藏光弘
地理的表示「山梨」管理委員会
委員長 恩 田 匠

 ブドウの生長期の4月~5月は気温が温暖で推移し、芽吹きも早い傾向が見られた。5月、6月は少雨(勝沼:平年比5月83、6月73%)で経過し、順調に成長して良好な収穫多が予想された。関東甲信地区の梅雨入りは、例年に比べて7日遅く、梅雨明けは3日早いものだった。特に昨年と比べると、16日早い梅雨明けで、良好な収穫に期待がもたれた。しかし、8月のお盆の時期(8月13日)から、全国的に停滞前線によって極多雨に見舞われ、8月の日照時間は平年比20%減で、野菜などの農作物に被害が出た。
 そこで、県内の甲州の成熟状況を調査したところ(9月6日)、甲州は糖度で勝沼一帯(下岩崎、上岩崎、藤井)が13.0~14.4度、八代が13.2度、穂坂が16.5度、山梨市で13.0度、玉諸(甲府市)が13.4度と上昇速度が思わしくなかった。この前後の日のマスカット・ベーリーAの調査は勝沼17.6度、笛吹市16.3度、穂坂17.0度とやはり同ブドウとして物足りなかった。サンプリング調査は、実際の入荷時の分析値よりやや高く出る傾向があることからも、両品種とも糖度上昇が停滞気味に推移していたと判断した。お盆前後の長雨の影響で、一部の産地では玉割れが発生しており、収穫の前倒しも見られる。
 以上の状況から、2021年における「GI Yamanashi」ワインとして仕込むブドウ糖度の基準は、生産基準から糖度を1%下げて、甲州が13%以上、ヴィニフェラ種は17%以上、マスカット・ベーリーA等その他の品種は15%以上とする。
 なお、2021年のミレジムの評価は10月上旬までの気象環境を受けて別途判断する。

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