ワインの国 山梨

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「GI Yamanashi」糖度基準の公開/2020

「GI Yamanashi」糖度基準の公開/2020

山梨県ワイン酒造組合
会 長 安藏光弘
地理的表示「山梨」管理委員会
委員長 恩 田 匠

 ブドウの生長期の4月~5月は適雨(勝沼:平年比67~142%)、多照(同:日照時間平年比121%/4月、103%/5月)で経過し、順調に成長して多収が予想された。しかし、6月中旬(甲州の開花期は6月上旬)から成熟期(7月中・下旬にヴェレーゾンに入る)に入る7月にかけて、多雨(平年比149~349%)、曇天(日照:平年比90~47%)が続いた。気温は好適に推移したが、成熟初期から天候が多雨、寡照で推移して成熟遅延が見られ、べと病等病害が発生した。成熟中期の8月に入ると、降水量が極少なく(平年比上旬1%、同中旬3%、同下旬103%)、日照時間は平年比125%と大きく回復し、気温も高い日が続いた。9月に入っても日照、気温は上々の推移であったが、6~7月の曇雨天の影響が大きく成熟速度が緩慢となった。
 そこで、県内の成熟状況を調査したところ(9月8日)、甲州は糖度で勝沼一帯(下岩崎、上岩崎、藤井)が13.6%~14.3%、八代が15.5%、穂坂が16.5%、山梨市で15.0%、玉穂(甲府市)が13.9%と上昇速度が思わしくなかった。マスカット・ベーリーAは山梨市16.3%、笛吹市16.1%、甲斐市16.9%、穂坂17.4~17.9%とやはり上昇が同ブドウとして物足りなかった。
 このように、両品種とも糖度上昇が停滞気味に推移していた。さらに現在、日本列島における9月中旬以降の天候は、秋雨前線の停滞と台風の襲来を含め、ブドウの成熟にとって予断を許さない状況でもある。
 従って、2020年における「GI Yamanashi」ワインとして仕込むブドウ糖度の基準は、生産基準から糖度を1%下げて、甲州が13%以上、ヴィニフェラ種は17%以上、マスカット・ベーリーA等その他の品種は15%以上とする。
なお、2020年のミレジムの評価は10月上旬までの気象環境を受けて別途判断する。

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